六日の菖蒲、十日の菊
お腹いっぱいカレーを食べて
初めて行く映画館の匂い
赤くて新しいシートに腰を下ろす
この二日間は廃人だったな
ずっとおふとんと居た
全てのやる気をおふとんに吸い取られて
寝るのに飽きたから外に出た
昔すきだった子供っぽくて赤い下着
部屋の隅にいつのまにか溜まってるほこり
会えると思ってた人からの連絡はまた来なくて
結局だめになった
だめだぁ
本の短編集は少し苦手だけど
映画は座って仕舞えばスクリーンを見るほかやることがないのだから楽だ
21世紀の女の子を見た
感性が爆発してる
足の指の毛を数えるロマンチックさに
共感してくれる男の子は限りなく少ないだろう
エンドロールは歌う
「あなたの地獄を指でなぞる」
私は地獄すら知らない
私が大森靖子の新宿を聴きながら
大荷物で新宿に通っていた時期
あれはたしかに私の地獄だったけど
誰かの地獄をなぞるほど
誰かに寄り添えた事はない
あんなにセクシーなシガーキスを
私も誰かとしてみたい
多分むせてしまうけど
タバコの味で喉を焦がしてもいいから
吉祥寺はカップルが多くてびっくりした
こんなにも世の中は男女で溢れてるのに
私は全然ひとりで平気なのが
ばかみたいだった
サークルを続けられないかもしれないと思い始めたのは
2年目の夏頃
私は特に歌が上手いわけでもなく
ただ歌が好きで
素敵な歌詞がいい声で
歌われるのが気持ちよくて
アカペラサークルに入った
2009年
小学校の頃見つけた
鬼束ちひろさんの月光を歌ってる
ハモネプのμが
あの時は
とんでもなくかっこよく見えた
大学に行ったらアカペラをやりたいと思った
(この時の17期多すぎです)
(今が少ないのか)
毎回の全練で聞くミニライブが
本当に最高にかっこよかったし
歌っていると人は何倍もかっこよく見えるんだなと思った
わたしには分からない音の世界が存在して
沢山のライブが
沢山のバンドが
本当に音楽を楽しんでいて
さいこうな世界だなぁと思った
さいこうな世界を辛くしたのはわたしで
微妙な音の違いがわからないとか
なんの仕事もしてない事だとか
自分がやらなきゃいけないことを
サークル以外でも重く感じて
逃げるみたいな形になってしまったけど
私はちゃんと
別の場所でも居場所を見つけてみせるよ
早稲田のアカペラサークルに入れたから
自分とは程遠い偏差値の人たちと友達になれて
いろんな才能を見せてもらった
(先輩バンドを応援するために大阪に行ったりしたのも楽しかった)
「ねえもう一回しよう、はじめから」
一度ダメだと思ってしまったものを
もう一度そのまま始めることは本当に難しい
恋愛だって趣味だって
目新しい何かがなくちゃ熱は上がらない
私は憧れてた
いつもは普通に見える先輩が
歌い出すと途端にスターに見えたこと
ラブホのキラキラの浴槽の中で
好きな人がペディキュアを塗ってくれること
映画の中では
全部は描かれないけど
私のことは、私は全部見なきゃいけない
勝手に撮って上映してくれはしない
気にかかってる人からは全然連絡が来ないし
全然連絡が来ないから、
気になってしまうのかもしれない
私がサークルを辞めたらきっともう会わない人が
本当にたくさんいるだろうし
逆に会ってくれる人もなんか
サークル話がどんどんわからなくなっていく私に
何を話してくれるんだろう
なんでも話してくれよなほんとうに
なんでも聞きたいからな
ふ~
(超懐かしい、ベース?笑笑)
今でもモニから自分の声が飛び出してくるの慣れないです
「やめたら何するの?」
って聞かれて
就職の決まってないニートみたいな気持ちになった
パッと答えられない自分を
どうしても正当化したくなった
日本で大学に行く選択をする学生は
たったの6割にも満たないのに平気で
「出身大学は?」
みたいな顔して聞いてくる大人がたくさんいる
残りの4割の立場はなんですか
そのくせ大学生は遊んでばかりいると
専門や高卒で
一足早く社会人になった人たちに馬鹿にされ
「バイトは仕事とは違って楽だかんな~」
と抜かす
ってそんなの
大人げないからな!!!!
全然かっこよくないからなほんとに
「やめたら何するでもないよ」
とわたしが言えば
怪訝な顔をするだろう
真っ直ぐに何かやりたいことを
しっかり握って生きてる人からしたら
何も掴まずに歩いてんのが不思議に見えるだろう
でも大丈夫にするから
多分
3年が終わったら休学したいとか
そんなことを思ってたのも事実だけど
次に私が目指すのは休学です!
ってわけでもない
海外に憧れてるから
何も考えずに恋愛したいからとか
そして小説家になりたいわけでもないから!
そんなんで辞めるわけじゃないよ!
なんかすごい勢いで打ち込んでしまったけど
まあいいや
ChocoCrunchに入って
みんなとたくさん楽しい思い出ができて良かったです!
超だいすき!!